音楽聞く

がんばる

二郎は鮨の夢を見る

 

ずっと見たいと思いつつ、手を付けられずにいた映画。

東京・銀座の地下にある鮨店、すきやばし次郎の店主小野二郎が寿司を握る所作は美しく、スローモーションの多用もマーヴェルみたいにくどく感じられなかったような。

 

 

静かで重い雰囲気にピアノの音が絶妙にマッチしていて、調べたらフィリップ・グラスという作曲家らしい。二郎さんと歳が近い。

 

一つの道を極め続け、85歳になっても働き続ける情熱はもはや狂気に近いんじゃないだろうか。俺すぐ投げ出しちゃうからなあ。持続させたい。

 

最後に電車で優しく微笑む二郎さんがまた良かった。

 

 

 

 

 

 

NENGU

 

ついに今週金曜日、NENGUがフジロックROOKIE A GO-GOに出る。

ROOKIE A GO-GOには、今までMASS OF THE FERMENTING DREGSmudy on the 昨晩AFRICAEMOceroも快速東京もD.A.NもyahyelもTempalayも出ていて、NENGUもこれからさらに人気が出るといいな。

Fall of Troyのサポートアクト決まった時はぶったまげた。高校生の時F.C.P.R.E.M.I.Xコピーしたなあ。

 

言ってしまえばこういう聞きにくいインストのバンドがちゃんと評価されてフジロックに出れるのは、すごく良いことだと思う。やたらめったら早い4つ打ちのギターロックバンドばっかりじゃつまらないし、これからもっと変態的、個性的なバンドにもスポットライトが当たるといい。

この前の『PONGYARON』レコ発イベントの対バンもHIMO、DULLJAB STEP CLUB、Kineticと、どうやったらその面子になるのってくらいの雑多ぶり。ぶっ飛んだアートワーク、ふざけたPV、演奏技術、様々な面で日本では稀有なバンドだと思う。

これからもピロピロバコバコやって欲しい。

 


CGからのほんわか女子登場のカオスっぷり。ドラムは元日本マドンナだとか。曲は聞いたこと無いけど「村上春樹つまらない」って曲名は好きです。

 


元ネタ。あたかもガールズバンドであるかの様に見せている。

 


曲も相まってわけのわからんMV。スタジオにあったゴミで撮ったとか。

 

元ネタはDeath Grips。多分。ただただ靴を破壊し続ける意味不明映像。

 


おふざけ度MAX。なんでマンドリンバンジョー?弾いてんねん。カリンバが綺麗。

 


一番好きな曲。

 

 

PONGYARON

PONGYARON

 

 

 

 

 

マスとエモとハードコア2



かましいマスロックバンド紹介の続き。

 

■ Pneu

フランスのギター&ドラムの2ピース爆裂技巧バンド。これを聞いたら頭を揺らさずにはいられない。手数の多さと目まぐるしい曲展開で、一聴すると無茶苦茶なようだが根底はポップ。
ベースレス、インストゥルメンタルと無いもの尽くしだが、固定概念を見事にぶち壊してくれる程にどの曲もはじけ散らかしている。ギターの手数の多さやその歪んだ音はAdebisi Shankやnoumenonに通じるものを感じる。
ビーチに直で楽器とスピーカーおっ立てて演奏する彼らのライブ動画があったが、日本もそんな個性的なDIY面白イベントあったらいいのにな。

 

 


PNEU - Derouille Party @ Le Ferrailleur (Nantes)

 

 

■NENGU

繰り出されるギターフレーズは多彩でポップ、聞き手を飽きさせない。the cabsの中村一太を彷彿とさせるようなドラムの連打が、歪んだ弦楽器とはじけて混ざる。
You Blew It!やThe Fall of Troyの来日公演のサポートアクトを務め、飛ぶ鳥を落とす勢いで大驀進中。これからより注目を集めていくであろう激マスバンド。

ベースが所属するsans visageという激情ハードコアバンドも恐ろしくかっこいい。the band apart、toeが出演する大阪でのイベントに抜擢され、こちらのバンドもヤバい。

 

 

元ネタと思われる曲


ADEBISI SHANK - ("THUNDER" A New Song - Live Studio Session)

 


Nengu 'Go My Bamboo' [Next Music From Tokyo Vol 8]

 

 

■ Noumenon

シカゴのマスロックバンド。上記2つのバンドのようにゴリゴリに歪んだ弦楽器が暴れ回る。こちらはシンガロングがあったりとエモの要素が強い。
フィジカルはLoose Lips Sink Sipsとのスプリットのみというのが非常に惜しい。おそらく現在は活動もしていない。需要は間違いなくあるから誰か日本呼んで!

 


Noumenon - Iguana In The Science Lab

 

 

Highway to Health

Highway to Health

 

 

PONGYARON

PONGYARON

 

 

邦楽の元ネタ2

 

曲の元ネタが分かると何故かでかい魚でも釣った気分になるが、誰かに自慢したり、共感してもらえる話でもなさそうなのでここで垂れ流す。色々調べているうちにアーティストのバックボーンが探れて楽しい!

 

 

 

頂(pinnacle)/Shing02

 


Shing02 頂(pinnacle)

 

Under Me Sleng Teng/Wayne Smith

 

 

レゲエに電子音を取り入れ、革命をもたらした、らしいWayne Smithの代表曲をshing02がサンプリングしている。
原曲よりも遅いテンポで雰囲気も若干暗いが、太いベース音がビートにハマっている。

 

 「MCの首切って口にライムを詰め込む酒鬼薔薇」 (『真吾保管計画』)

「そして日本には存在しないゲットー だから自分で探し出さなければいけない劣等感」(『課題毒書パート2』)

 

shing02は上記のような躊躇いのない苛烈なワードチョイスがヒリヒリする。『星の王子さま』や『少年ナイフ』のようなストーリーテリングも没入できて楽しい。

でも実際には日本にゲットーはある。

 

 

 

Tokyo Classic/RIP SLYME

 


RIP SLYME Tokyo Classic LIVE

 

 

Stress/Orgnized Konfusion

 


Organized Konfusion "Stress" [HD]

 

元ネタはNYクイーンズの2MCユニット、Orgnized Konfusion。Tokyo Classicと比べるとStressはいささか暗めだがライムとビートが段違いに格好良い。PESパートの「クラッシュ、キル、デストロイ」はこの曲のサビのリリックからそのまま引用されている。


他の楽曲でも『雑念エンタテインメント』の「ライト、カメラ、アクション」というリリックはN.W.Aの『Quiet On Tha Set』から、スチャダラパーフューチャリングしている『レッツゴー7,8匹』のサビはA Tribe Called Questの『What?』からそのまま引用されている。

 


Honey/L'Arc-en-Ciel   1998年

 


L'Arc~en~Ciel Honey Smile Tour

 


Scribble/Underworld   2010年

 


Underworld - Scribble

 

Underworldの方がリリースが10年以上後なので元ネタもクソもないが、シンセのメロディーが似ている気がする。気のせいですね。

 

 


青のり/ブリーフ&トランクス

 


ブリーフ&トランクス 青のり

 


Organ Donor/DJ Shadow

 


DJ Shadow - Organ Donar

 

ブリトラの青のりのイントロを聞くと何故かOrgan Donorが浮かんでしまう。ちゃんと聞くと全然ちげえわこれ。

 

 

雑念エンタテインメント/RIP SLYME 3:12〜


雑念エンタテイメント


The Number Song/DJ Shadow 0:50〜


DJ Shadow - Number Song

 

Spinning Wheel/Blood, Sweat, & Tears

 

 

 

クラッチに使われている男性の声が一緒。Blood, Sweat, & Tearsの『Spinning Wheel』が元ネタ。


Shadowの1stアルバム『Endtroducing』は、しっとりめの曲から高速ブラストビートまで自由且つぶっ飛んだ内容で最高です。

 

 

Yentown/Shing02

 


Shing02 緑黄色人種 ¥都 yentown

 


Pusha Man/Chance The Rapper

 


Chance The Rapper - Pusha Man (feat. Nate Fox & Lili K.)

 

Modaji/Dave Grusin

  

 

米国のジャズピアニスト、デイヴ・グルーシからサンプリング。
Chance The Rapperも同曲を引用。出自の異なるアーティストが同じ楽曲をサンプリングしていることになにかロマンを感じる。

 

 


ほとんどヒップホップでした。
こういう気付きがあると音楽って楽しいなあという気持ちになります。

 

 

2016 ベストアルバム10枚

 

2016年に聞いたアルバムの中で良かったものを10枚挙げてみる。今年買った新譜はAphex Twin、Warpaint、宇多田ヒカルぐらいのもんなので、全部旧譜。

 

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Up, Up And Away/Bushmind
 
京王線の下高井戸駅そばにあるレコード屋トラスムンドの店主に勧められ、どハマりしたミックスCD。程よい脱力感と浮遊感がとても心地よく、ハウスからサイケ、ヒップホップなど多岐にわたる音楽が違和感なく混ざり合い、緩やかに流れていく。
Bushmindのミックスはどれも外れ無しだが、このミックスはずば抜けて良い。必聴です。
 
 

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Stilling, Still Dreaming/Tha Blue Herb
 
北のプライド、絶対的な自信と鉄めいたトラック。ぶち食らいました。
『弧墳』の雑踏の語りが良い。途中で噛むところにもグッとくる。
 
2ndアルバム『Sell Our Soul』の13分を越える『路上』は、BOSSのネパールでの旅を基にしたストーリーテリングで、リアリティ溢れる物語に引き込まれる。
 
 

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The Low And Theory/A Tribe Called Quest 
 
生き生きとしたジャジーなビートにPhifeとQ-Tipの子気味良いラップが乗っかり、とにかく踊れるご機嫌なアルバム。
 
 

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Innerspeaker/Tame Impala
 
フランジャーでうねるギターにポップなメロディーが耳に焼きつく。
乗れるビートも非常に良い。
 
 
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Come To Daddy/Aphex Twin
 
Aphex Twinは『Alberto Balsalm』が大名曲だと思うのだが、アルバム全体のバランスで考えるとベストはこっち。『Film』は深夜徘徊のお供にぴったり。
 
 

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Pleasant Living/Tiny Moving Parts
 
煌びやかなギターのタッピングと叫びの織り交ざった、静と動のバランスが心地良いエモリバイバルバンド。楽器隊がスキルフル。
 
 

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空洞です/ゆらゆら帝国
 
屋内でコーヒーをしばきながら、あるいは田舎の田んぼ道を歩きながら聞きたいアルバム。『おはようまだやろう』のアシッディーなトレモロと管楽器の組み合わせで、冒頭からたちまちハイになれる。リフのループと程良いテンポで体が勝手に動き出してしまう。
 
 

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The View From This Tower/Faraquet
 
単音フレーズの応酬、変拍子、歪み、ポストハードコアとマスロックがいい塩梅に弾けて混ざっています。奇妙なコード感の曲が多いながら、時折挟まれる美メロに心揺さぶられる。
 
 

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Anything In Return/Toro Y Moi
 
陶酔ディスコ。変名のLes Sinsも含め、作曲の幅が広い。
フリーダウンロードアルバム『Samantha』収録のRome Fortuneが客演の『Pitch Black』も好き。
 
 

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Coexist/The XX 
 
前作よりもムードは暗め。これと言って大きな変化は感じないが、陰鬱さを感じさせながらも踊れる曲がツボ。
『Sunset』は、雨の日や夜に聞いたらどっぷり感傷に浸れること間違いなし。Jamie xx editバージョンも最高。
 
 
 
 
ロクなこと書けない!来年は新譜もたくさん聞く。
 
 
 

2016.12.06 The XX 豊洲PIT

 

 

The XXが来日すると聞いて、アルバムを聞き返したらいい感じだったのでライブを見に豊洲へ向かった。

 

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まずはSBTRKTとの共演でお馴染みのSamphaが会場を温めてくれた。ピアノの弾き語りによるシンプルな演奏だったが、透き通るような歌声に呑まれた。照明も相まって幻想的なステージだった。

 


The XXは、ロミーとオリヴァーの囁くような、しかし力強い声が響いた。

ほとんどの曲にアレンジが施され、ビートの多くがジェイミーのパッドの生演奏であることに驚いた。たまにヨレるリズムもどこか微笑ましく、新曲はどれもダンサブルで今までとは一味違うThe XXの一面を見ることができた。次のアルバムが非常に楽しみ。

 

『Loud Place』、『Stranger In A Room』、『Gosh』とジェイミーのソロ曲を惜しみなく披露してくれたのは嬉しかった。『Gosh』では、ロミーとオリヴァーが手を取り合って踊っていたシーンがより多幸感を膨らませてくれた。さあ踊るぞ、と上目遣いでロミーに近付くオリヴァーが程よくキモくてよかった。

 

どの曲も素晴らしかったが、ベストソングを挙げるなら1st albumの『Infinity』。最後のサビの『give it up, I can't give up』の箇所で、原曲を超える爆音と尺でぶちかましていて笑みがこぼれた。静かな曲が多い中で、対照的なアレンジであったことがより楽曲を際立たせていたように思う。


この日は低音が存分に出ていて、膀胱が圧迫されてめっちゃトイレに行きたくなった。素晴らしい一日だった。

 

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マスとエモとハードコア


マスでエモでハードコア?な、取っ付きにくいようでキャッチーなロックバンドをいくつか挙げてみる。

 

 

■Adebisi Shank


アイルランドの3ピースインストバンド
超バカテクのギター、ゴリゴリのベース、暴れ回る弦楽器を支えるドッシリしたビート、と隙なし。ギターの多彩なフレーズ、エフェクターの使い方がかっちょいい。目まぐるしい曲構成ながら聞きやすく、アルバムごとに毛色が違うのも面白い。

 

ギターのLar KayeはLITEの大ファンらしく、ベースの井澤曰くLITEの海外公演で「『Ghost Dance』やるの!?」と目をキラキラさせていたとか。

ラストライブの新代田feverはそりゃもうハッピー空間でした。本当にあの時はギターが神がかっていた。きっと死ぬまで聞き続けるであろう最高のバンド。

 


Adebisi Shank | 'Masa'

 

彼らの所属するLAのレーベルSargent HouseにはblisやAnd So I Watch From You Afarなど、個性的で良質なバンドが多い。

 

 

◼︎nuito


京都の3ピースインストバンドマイスペースでは、コンテンポラリプログレッシブマスロックとか自称していたような。そんな突飛な名前通り、曲のほとんどの構成が複雑かつ、タッピングの嵐。このバンドに出会ってからマスロックをよく聞くようになった気がする。

一インディーズバンドにしては細部に独特なこだわりがあり、個性が強い。Hinemosという曲を一定の条件?で左右のスピーカーを向き合わせると新たな音が聞こえるとか、アーティスト写真はゴミ山の中で顔の見えない3人が寝そべってるだけとか。

ホームページにも隠しリンクや、PCの画面を傾けると文字が浮かび上がる等の工夫があり、曲やライブ以外の面でも非常に楽しませてくれるバンドである。

2009年のtera melosやAdebishi Shankの来日公演のサポートアクトも務めており、活動休止前から注目を集めていた。tera melosのライブでギターのひらうにサインを求めたら、「俺はバンマスだから何してもいいんだ」と既に書いてあったリズム隊のサインにバツを付けた後、でかでかと自分のサインを書いてくれた。

最近、7年振りに活動を再開したらしく、新宿MARZでのライブを見たが演奏はまるで衰えておらず、以前のライブではスカスカだったMARZ(Adebishi Shankのライブ)がパンパンになっていて感極まった。彼らのライブは何度でも拝みたい。

 


NUITO - NUITO ARE BACK.′ @TOKYO MARZ 2016/6/19

 

 

◼︎1994!


ペンシルバニアの2ピースバンド。暑苦しくダミ声で吠えるボーカルと手数の多いギターはsnowingやcastevetに通じるものがある。

どの音源も大体音質が悪いが、ライブ動画を見てると客と組んず解れつのぐちゃみそでその空気感に近いのかも。

LP『fuck it!』には、フォトブックにツアーやライブの写真が付いていてワクワクする。

 

エモリバイバル系のバンドは日本で流通しているフィジカルの数が少なく、ディストロで見つけても売り切れていることが多いのが如何ともしがたい。

 


1994! - SOUR THANKS MAN - THE PEEL, KINGSTON 27th JULY 2011

 

 


どれも最高す。生きてて良かった。

もっと生きてて良かった級の音楽知りたい。