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2016 ベストアルバム10枚

 

2016年に聞いたアルバムの中で良かったものを10枚挙げてみる。今年買った新譜はAphex Twin、Warpaint、宇多田ヒカルぐらいのもんなので、全部旧譜。

 

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Up, Up And Away/Bushmind
 
京王線の下高井戸駅そばにあるレコード屋トラスムンドの店主に勧められ、どハマりしたミックスCD。程よい脱力感と浮遊感がとても心地よく、ハウスからサイケ、ヒップホップなど多岐にわたる音楽が違和感なく混ざり合い、緩やかに流れていく。
Bushmindのミックスはどれも外れ無しだが、このミックスはずば抜けて良い。必聴です。
 
 

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Stilling, Still Dreaming/Tha Blue Herb
 
北のプライド、絶対的な自信と鉄めいたトラック。ぶち食らいました。
『弧墳』の雑踏の語りが良い。途中で噛むところにもグッとくる。
 
2ndアルバム『Sell Our Soul』の13分を越える『路上』は、BOSSのネパールでの旅を基にしたストーリーテリングで、リアリティ溢れる物語に引き込まれる。
 
 

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The Low And Theory/A Tribe Called Quest 
 
生き生きとしたジャジーなビートにPhifeとQ-Tipの子気味良いラップが乗っかり、とにかく踊れるご機嫌なアルバム。
 
 

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Innerspeaker/Tame Impala
 
フランジャーでうねるギターにポップなメロディーが耳に焼きつく。
乗れるビートも非常に良い。
 
 
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Come To Daddy/Aphex Twin
 
Aphex Twinは『Alberto Balsalm』が大名曲だと思うのだが、アルバム全体のバランスで考えるとベストはこっち。『Film』は深夜徘徊のお供にぴったり。
 
 

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Pleasant Living/Tiny Moving Parts
 
煌びやかなギターのタッピングと叫びの織り交ざった、静と動のバランスが心地良いエモリバイバルバンド。楽器隊がスキルフル。
 
 

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空洞です/ゆらゆら帝国
 
屋内でコーヒーをしばきながら、あるいは田舎の田んぼ道を歩きながら聞きたいアルバム。『おはようまだやろう』のアシッディーなトレモロと管楽器の組み合わせで、冒頭からたちまちハイになれる。リフのループと程良いテンポで体が勝手に動き出してしまう。
 
 

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The View From This Tower/Faraquet
 
単音フレーズの応酬、変拍子、歪み、ポストハードコアとマスロックがいい塩梅に弾けて混ざっています。奇妙なコード感の曲が多いながら、時折挟まれる美メロに心揺さぶられる。
 
 

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Anything In Return/Toro Y Moi
 
陶酔ディスコ。変名のLes Sinsも含め、作曲の幅が広い。
フリーダウンロードアルバム『Samantha』収録のRome Fortuneが客演の『Pitch Black』も好き。
 
 

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Coexist/The XX 
 
前作よりもムードは暗め。これと言って大きな変化は感じないが、陰鬱さを感じさせながらも踊れる曲がツボ。
『Sunset』は、雨の日や夜に聞いたらどっぷり感傷に浸れること間違いなし。Jamie xx editバージョンも最高。
 
 
 
 
ロクなこと書けない!来年は新譜もたくさん聞く。
 
 
 

2016.12.06 The XX 豊洲PIT

 

 

The XXが来日すると聞いて、アルバムを聞き返したらいい感じだったのでライブを見に豊洲へ向かった。

 

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まずはSBTRKTとの共演でお馴染みのSamphaが会場を温めてくれた。ピアノの弾き語りによるシンプルな演奏だったが、透き通るような歌声に呑まれた。照明も相まって幻想的なステージだった。

 


The XXは、ロミーとオリヴァーの囁くような、しかし力強い声が響いた。

ほとんどの曲にアレンジが施され、ビートの多くがジェイミーのパッドの生演奏であることに驚いた。たまにヨレるリズムもどこか微笑ましく、新曲はどれもダンサブルで今までとは一味違うThe XXの一面を見ることができた。次のアルバムが非常に楽しみ。

 

『Loud Place』、『Stranger In A Room』、『Gosh』とジェイミーのソロ曲を惜しみなく披露してくれたのは嬉しかった。『Gosh』では、ロミーとオリヴァーが手を取り合って踊っていたシーンがより多幸感を膨らませてくれた。さあ踊るぞ、と上目遣いでロミーに近付くオリヴァーが程よくキモくてよかった。

 

どの曲も素晴らしかったが、ベストソングを挙げるなら1st albumの『Infinity』。最後のサビの『give it up, I can't give up』の箇所で、原曲を超える爆音と尺でぶちかましていて笑みがこぼれた。静かな曲が多い中で、対照的なアレンジであったことがより楽曲を際立たせていたように思う。


この日は低音が存分に出ていて、膀胱が圧迫されてめっちゃトイレに行きたくなった。素晴らしい一日だった。

 

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マスとエモとハードコア


マスでエモでハードコア?な、取っ付きにくいようでキャッチーなロックバンドをいくつか挙げてみる。

 

 

■Adebisi Shank


アイルランドの3ピースインストバンド
超バカテクのギター、ゴリゴリのベース、暴れ回る弦楽器を支えるドッシリしたビート、と隙なし。ギターの多彩なフレーズ、エフェクターの使い方がかっちょいい。目まぐるしい曲構成ながら聞きやすく、アルバムごとに毛色が違うのも面白い。

 

ギターのLar KayeはLITEの大ファンらしく、ベースの井澤曰くLITEの海外公演で「『Ghost Dance』やるの!?」と目をキラキラさせていたとか。

ラストライブの新代田feverはそりゃもうハッピー空間でした。本当にあの時はギターが神がかっていた。きっと死ぬまで聞き続けるであろう最高のバンド。

 


Adebisi Shank | 'Masa'

 

彼らの所属するLAのレーベルSargent HouseにはblisやAnd So I Watch From You Afarなど、個性的で良質なバンドが多い。

 

 

◼︎nuito


京都の3ピースインストバンドマイスペースでは、コンテンポラリプログレッシブマスロックとか自称していたような。そんな突飛な名前通り、曲のほとんどの構成が複雑かつ、タッピングの嵐。このバンドに出会ってからマスロックをよく聞くようになった気がする。

一インディーズバンドにしては細部に独特なこだわりがあり、個性が強い。Hinemosという曲を一定の条件?で左右のスピーカーを向き合わせると新たな音が聞こえるとか、アーティスト写真はゴミ山の中で顔の見えない3人が寝そべってるだけとか。

ホームページにも隠しリンクや、PCの画面を傾けると文字が浮かび上がる等の工夫があり、曲やライブ以外の面でも非常に楽しませてくれるバンドである。

2009年のtera melosやAdebishi Shankの来日公演のサポートアクトも務めており、活動休止前から注目を集めていた。tera melosのライブでギターのひらうにサインを求めたら、「俺はバンマスだから何してもいいんだ」と既に書いてあったリズム隊のサインにバツを付けた後、でかでかと自分のサインを書いてくれた。

最近、7年振りに活動を再開したらしく、新宿MARZでのライブを見たが演奏はまるで衰えておらず、以前のライブではスカスカだったMARZ(Adebishi Shankのライブ)がパンパンになっていて感極まった。彼らのライブは何度でも拝みたい。

 


NUITO - NUITO ARE BACK.′ @TOKYO MARZ 2016/6/19

 

 

◼︎1994!


ペンシルバニアの2ピースバンド。暑苦しくダミ声で吠えるボーカルと手数の多いギターはsnowingやcastevetに通じるものがある。

どの音源も大体音質が悪いが、ライブ動画を見てると客と組んず解れつのぐちゃみそでその空気感に近いのかも。

LP『fuck it!』には、フォトブックにツアーやライブの写真が付いていてワクワクする。

 

エモリバイバル系のバンドは日本で流通しているフィジカルの数が少なく、ディストロで見つけても売り切れていることが多いのが如何ともしがたい。

 


1994! - SOUR THANKS MAN - THE PEEL, KINGSTON 27th JULY 2011

 

 


どれも最高す。生きてて良かった。

もっと生きてて良かった級の音楽知りたい。

 

邦楽の元ネタ

 

日本の音楽の元ネタ、オマージュと思われる楽曲を幾つか列挙してみる。

 


おはようミカ/毛皮のマリーズ

 



元ネタ:Sympathy For The Devil/The Rolling Stones

 



あらゆるバンドからあらゆるフレーズを拝借しまくっている毛皮のマリーズの初期の曲。ストーンズのギターソロをほぼそのままに引用しているが、スリーコードのどシンプルな曲に見事にマッチしている。

毛皮のマリーズはまずこの「おはようミカ」が収録されているFaust C.D.から聞くべきだと思う。個人的には後期毛皮のマリーズドレスコーズよりも、初期のロックンロールを鳴らしている毛皮のマリーズを推したい。




モノクロトーキョー/サカナクション

 

 


元ネタ?:Sous Les Etoiles/Little Majorette

 



バクマン』の映画音楽からパリコレのサウンドディレクションまで方々から引っ張りだこなサカナクションもとい山口一郎。

モノクロトーキョーのイントロのフレーズが、スウェーデンのバンドLittle MajoretteのSous Les Etoilesの2:15〜のフレーズと丸かぶり。

サカナクションの楽曲の方がLittle Majoretteよりもリリースが前である為、おそらく偶然。それにしてもめっちゃ似てる。



Mirror Dance/androp

 


元ネタ:Star Guitar/The Chemical Brothers

 


イントロで鳴るハンドクラップからのバスドラ、音数が増えていく展開がそっくり。

 



Changes/SALU

 


元ネタ:Flicker/Porter Robinson

 



SALUの『changes』1:20〜が、Porter RobinsonFlicker』のイントロに似ている。勘違いである気がしなくもない。とりあえずどちらもいい曲。


2015年のソニックマニアPorter Robinsonのライブを初めて見たが、キラキラしていてざらついた楽曲がRPGゲームのようなVJがマッチして、とにかく多幸感に包まれていた。あれはもう一度生で見たい。


 

Maybe I Can't Good-Bye/平野綾

 

 


元ネタ:Song 2/Blur

 



平野綾のある曲がblurのsong2丸パクリという、ただそれだけ。

どうでもいいけど曲名もgood-byeの前にsayが抜けてる。



everybody feels same/くるり

 


元ネタ:A-Punk/Vampire Weekend

 


イントロはほぼ一緒で、PVの雰囲気までそっくり。日本のベテランバンドが海外の若手バンドをパクった上、映像も曲も本家の方が良いと思う。少し悲しい。


Vampire Weekendは『Cousins』も低予算感溢れるおもちゃ箱みたいなMVが見ていて楽しい。




New Animal/The Pillows


元ネタ:Atlas/Battles



Battlesの『Atlas』のMVを上っ面だけパクった曲。ドラムの色や鏡など、ただそのままデザインを引用しており、オマージュではなくパクリと表現した方がしっくりきちゃう。リスペクトもへったくれもないバイブスだけ伝わってきて、肝心の曲も微妙。

 

Battlesが3人になってからのライブも楽しかったけど、やっぱりタイヨンダイがいるBattlesを生で見たかった。



OPEN WORLD/another sunny day

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元ネタ:Modern Vampires Of The City/Vampire Weekend

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こちらは曲ではなくジャケット。ストレイテナーナカヤマシンペイ大山純らが在籍するバンドがVAMPIRE WEEKENDのアルバムから拝借。発売されたばかりのアルバムのジャケットをそのままコピーペーストといった塩梅で、しょうもない。曲もご多分に漏れず微妙。



偉そうにたらたら連ねてしまってたいへん恐縮ですが、色々と発見があって面白かった。また元ネタや似ている楽曲を見つけたらさらに彫り下げてみたい。